オーストラリアのワーホリの1年

何がしたいか分からないまま
行ってもいい?

行っていい。目的を言葉にできないまま出発する人は少なくありません。
ただ、向こうで何をして過ごすかで、持ち帰るものが変わります。

1年をめくる

このサイトでは、オーストラリアのワーホリの1年を月ごとに見ていきます。出発の3か月前から、帰国の12か月目まで。途中に、同じ月でも過ごし方が分かれるところが4つあります。

書いてあることは、ワーホリを研究した論文、オーストラリア政府の案内、帰国した人が公開している体験談から集めた事実です。それぞれの月の下に出典を置いています。

17,000件超日本人に出たオーストラリアのワーホリビザ(2023年7月〜2024年6月)
25.6歳出発したときの平均年齢(留学協議会の2014年の調査)
75%女性の割合(同じ調査)
荷造り中のスーツケース
3か月前

ビザとお金と英語をそろえる

オーストラリアのワーホリビザは、日本からオンラインで申し込みます。申請できるのは18〜30歳。日本からの申請に年間の上限はありません。

審査に時間がかかることがあり、オーストラリア政府はビザが出るまで航空券を買わないよう案内しています。出発の3か月前には申し込んでおくと落ち着いて準備できます。

先に払うお金は、ビザ・航空券・保険・最初の数週間の家賃と食費。語学学校に通うなら授業料も加わります。エージェントが出している目安は70〜120万円です。

英語は、向こうで伸ばすつもりで出発する人がほとんどです。ただ、最初の仕事は着いた時点の英語で決まります(3か月目)。

ビザ申請費
840豪ドル
申請できる年齢
18〜30歳
滞在
12か月

出典: オーストラリア内務省「First Working Holiday visa (subclass 417)」 / 夢カナ留学「ワーホリは無料でできる?実質0円ワーホリの仕組み」

シドニーのオペラハウスと橋を見ながら歩く人
1か月目

着いた週に暮らしの手続きを済ませる

最初の週にするのは、税番号(TFN)の申請、銀行口座、携帯のSIM。給料を受け取るのに口座と税番号が要ります。

住まいは、数日を宿で過ごしながらシェアハウスを探す人が多いです。シドニーで1部屋を借りると週250〜400豪ドルが目安。2段ベッドの相部屋にすると安くなります。

研究者が2018年に暮らしたシドニー中心部のシェアハウスは、12人で1軒、トイレと風呂が2つずつ、台所が1つでした。

シドニーの1部屋
週250〜400豪ドル
1人の食費
週80〜120豪ドル
2段ベッドの並ぶ部屋

出典: Australian Visa Online(2026年3月)「Cost of Living in Sydney 2026」 / 松原咲樹・堤純『オーストラリア研究』34号(2021)「オーストラリアにおける日本人ワーキングホリデー渡航者の近年の傾向」

教室で笑う学生たち
2か月目

語学学校に通って友達をつくる

着いてすぐ語学学校に通う人が多いです。期間は人によって違い、研究で話を聞いた看護師の女性は、シドニーの学校に4か月通いながら日本食レストランでアルバイトをしていました。

学校は友達ができる場所でもあります。同じ学校の仲間から仕事やシェアハウスを紹介してもらう例は少なくありません。

学校によって日本人の割合が違います。日本人の多い学校だと、授業の外は日本語で過ごせてしまいます。

出典: 松原咲樹・堤純『オーストラリア研究』34号(2021)「オーストラリアにおける日本人ワーキングホリデー渡航者の近年の傾向」

店の扉に掛かった求人の札
3か月目

履歴書を持って仕事を探す

履歴書(レジュメ)を作り、カフェやレストランに配り歩いて連絡を待つ。シェアハウスや学校の知り合いの紹介で決まることも多いです。

求人アプリもありますが、時給や日数の条件に合う仕事はなかなか見つかりません。

最低賃金(2026年7月から)
時給26.44豪ドル
カジュアル雇用
時給33.05豪ドル
レストランの厨房で働く人たち

出典: 松原咲樹・堤純『オーストラリア研究』34号(2021)「オーストラリアにおける日本人ワーキングホリデー渡航者の近年の傾向」 / Fair Work Ombudsman「Minimum wages increase from 1 July 2026」

ラテアートのカップを持つ手
4か月目

最初の給料で暮らしが回り始める

ワーホリの給料には、最初の45,000豪ドルまで15%の税がかかります。雇い主は給料の12%を年金(スーパーアニュエーション)に積み立てます。この年金は帰国したあとに申請すると戻ってきます(65%の税が引かれます)。

計算の例: カジュアル雇用の最低時給33.05豪ドルで週30時間働くと、税引き前で約991豪ドル。税15%を引いて約842豪ドル。家賃300豪ドルと食費100豪ドルを払うと、週に約440豪ドル(約4.8万円)が残ります。

時給、働ける時間、家賃で大きく変わります。仕事が見つかるまでの間は、日本から持ってきたお金で暮らします。

果物の並ぶ市場

出典: オーストラリア国税庁「Working holiday makers(税率・スーパーアニュエーション)」 / Fair Work Ombudsman「Minimum wages increase from 1 July 2026」 / Australian Visa Online(2026年3月)「Cost of Living in Sydney 2026」

メルボルンの街を走る路面電車
5か月目

休みの日を誰と過ごすか

仕事と家が決まると、毎日が同じように回り始めます。慣れてくるのもこのころです。

人で混み合うメルボルンの路地

出典: note「ワーホリは意味ない?時間の無駄?3ヵ国経験者の感想」 / 松原咲樹・堤純『オーストラリア研究』34号(2021)「オーストラリアにおける日本人ワーキングホリデー渡航者の近年の傾向」

列車の窓から見た草原
6か月目

半年たって次の街を考える

ワーホリビザでは、同じ雇い主のもとで働けるのは原則6か月までです。半年が過ぎるころに、街や仕事を変える人が多くなります。

シドニーからメルボルン、ブリスベン、パースへ。同じ国でも街の空気はずいぶん違います。

出典: オーストラリア内務省「First Working Holiday visa (subclass 417)」

畑で働く人たち
7か月目

ファームで働いて2年目を手に入れる

2年目のビザ(セカンドビザ)を取るには、決められた地方で3か月、農業などの決められた仕事をします。フルーツピッキングを選ぶ人が多く、給料は摘んだ量で決まる歩合のこともあります。

仕事が続けて見つかるとは限りません。研究で話を聞いた女性はファームの仕事が見つからず、2週間仕事がありませんでした。サイクロンでイチゴが全滅して、別の農場へ移った人もいます。

イチゴを摘む手

出典: オーストラリア内務省「First Working Holiday visa (subclass 417)」 / 松原咲樹・堤純『オーストラリア研究』34号(2021)「オーストラリアにおける日本人ワーキングホリデー渡航者の近年の傾向」

ウルル
8か月目

車で大陸の真ん中へ

ファームの仕事のあとに車で旅に出る人がいます。研究で話を聞いた女性は、パースのファームに通うために車を買い、休みの日は遠出をしていました。

赤い大地の真ん中にあるウルル、海沿いのグレートオーシャンロード。働いて貯めたお金で、日本からは行きにくい場所へ行けます。

海沿いの道を走るワゴン車

出典: 松原咲樹・堤純『オーストラリア研究』34号(2021)「オーストラリアにおける日本人ワーキングホリデー渡航者の近年の傾向」

上から見たグレートバリアリーフ
9か月目

海と島をめぐる

北のグレートバリアリーフ、南のタスマニア。暮らしている国の中を旅できるのはワーホリならではです。

研究で話を聞いた女性は、2年目をタスマニアで過ごしたあと、まだ行ったことのない西海岸のパースへ移りました。

タスマニアのワイングラス湾

出典: 松原咲樹・堤純『オーストラリア研究』34号(2021)「オーストラリアにおける日本人ワーキングホリデー渡航者の近年の傾向」

夕方の海辺で並んで座る人たち
10か月目

持ち帰るものを形にする

帰国が近づくころ、この1年で何が変わったかを考え始めます。

出典: 大井真澄 明治学院大学社会学部 卒業論文(2015)。留学協議会(JAOS)の2004年・2014年の調査を含む「日本人ワーキング・ホリデーメーカーの経験とキャリア形成」 / Takumi(note)「ワーホリ帰国後|就職は詰む?」

飛行機の窓から見た空港
12か月目

日本へ帰る

12か月のビザが切れる前に日本へ帰ります。帰ってからのことは、このあとにまとめました。

東京の通りを歩く人

帰ってきてから

ワーホリの1年は面接でどう見られるか

帰国して仕事を探した人の中には、転職の担当者から「ワーホリって、普通にブランクにしかならへん」と言われた人がいます。面接では「留学」と説明するよう勧められた人もいました。

一方で、帰国して就職した人は、ワーホリに行ったせいで就職に困った感覚はないと書いています。評価されたのは英語の点数より、仕事で英語をどう使ってきたかでした。31歳で帰国した人は、自然写真家になる夢を追って半年迷ったあと、会社員に戻っています。

1年で何が変わったかを話せるかどうかは、10か月目までの過ごし方で決まります。

帰国後の仕事について読む

出典: 大井真澄 明治学院大学社会学部 卒業論文(2015)。留学協議会(JAOS)の2004年・2014年の調査を含む「日本人ワーキング・ホリデーメーカーの経験とキャリア形成」 / Takumi(note)「ワーホリ帰国後|就職は詰む?」 / note「ワーホリ帰国後の31歳が半年間迷走して、再就職をつかむまで」

話してみる

一人で決めにくいことは話しながら決めればいい

目的がはっきりしないまま、国・学校・期間・お金を一人で決めるのは難しいものです。留学エージェントの無料カウンセリングでは、出発前の英語、日本人の少ない学校、現地での仕事探し、帰国後の仕事まで相談できるところがあります。話を聞いたうえで、行かないと決めてもかまいません。

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